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リニア 期待と不安のせ

 ■新駅地元歓迎「チャンス」/観光客増へアクセス課題/東京の一極集中に危機感

 夢のリニア新幹線の開業が現実味を帯びてきた。JR東海は18日、東京・品川−名古屋間の詳細な走行ルートと中間駅の場所を発表。駅が建設される沿線の住民らは、平成39(2027)年の開業に向け、熱い視線を注いでいる。ただ、日本の動脈となっている東海道新幹線沿線の沈下や東京一極集中への不安など、人の流れが変わることへの危機感も出ている。

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 「神奈川県駅」はJR横浜線など3路線が乗り入れる橋本駅(相模原市緑区)付近。そばに高層マンションが立ち並び、市内では圏央道の整備も進む。

 「人の出入りが多くなると期待している。街が潤ってほしい」と話すのは橋本駅南口で祖父の代から35年間にわたりカフェ「プリエ」を営む豊泉正人さん(44)。市の担当者は「アクセスの良さを売りにして企業誘致を加速させ、観光振興にも力を入れたい」と夢を膨らませる。

 「山梨県駅」の予定地は甲府市大津町。JR甲府駅から直線で6キロ以上離れた場所だ。甲府商工会議所の上原勇七(ゆうしち)会頭(80)は「県経済が停滞し、人口も減少する中、甲府市だけではなく県全体の活性化につなげるチャンス」と歓迎する。

 「長野県駅」は当初有力視された飯田市座光寺地区ではなく、同市上郷飯沼地区に設置。以前から遺跡がある座光寺地区の回避を要望する声が強く、市の担当者は「配慮してもらえた結果」と受け止める。

 リニアは東京・品川−名古屋間の86%が地下やトンネル部分で車両が見える場所は少ない。ただ、相模原市と岐阜県中津川市には車両基地が置かれるため、そこでは姿を見られそうだ。

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 駅予定地周辺の観光地でも、集客力向上を期待する声が上がった。

 「外国人観光客が増えている中山道の馬籠宿(まごめじゅく)やアユ釣りで人気の付知川(つけちがわ)。アピールしたい観光地はいっぱいある」。「岐阜県駅」が置かれる中津川市では、週末に地元特産品の販売員がリニアを描いたシャツを着用して接客してきたとあって、成瀬昭彦・中津川観光協会理事(58)は喜びを隠さない。ただ、駅自体は市街地から遠く離れ、商業、宿泊施設に乏しい。観光地の高山市や下呂(げろ)温泉へのアクセスも視野に入れた道路整備が課題だ。

 長野県飯田市の中島一夫・飯田観光協会長(56)は「大変ありがたいが自動的に観光客が来るわけではない」とも。「観光資源はあるが距離が遠い。リニア利用客にどういう案内が良いか検討していく」

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 JR東海は、ビジネス客が多い「のぞみ」の役割をリニアに、通勤や観光に使われる「ひかり」や「こだま」の役割を東海道新幹線に、と考えている。南海トラフ巨大地震などに備え、もう1本の大動脈を確保する狙いもある。

 東海道新幹線沿線の関係者の受け止めはさまざま。静岡県熱海市の太田最己(さいき)・熱海市商店街連盟事務局長(60)は「熱海は都心から来るお客さんが多いので危機感はある。沿線の多くの観光地は同じではないか」と不安げに話す。

 東京と40分で結ばれる名古屋市は、東京へ人や資本が吸い取られる「ストロー効果」が懸念されている。2020年には東京五輪も開催され、東京へのさらなる一極集中が予想される。愛知県の大村秀章知事(53)は「首都圏は巨大な魅力と吸引力を持っている」と東京への人口流出などを懸念。「克服できるよう準備していきたい」と、開業に向けたまちづくりに取り組む姿勢を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130919-00000121-san-soci
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